成功哲学のわな(役に立つ助言、役に立たない助言)

f:id:royo170:20191023174305p:plain

英文読解力の強化のために複数の本を同時進行で読んでいます。いわゆる成功哲学の本も読んでいるのですが、正直、「う~ん、そうかなぁ?」、「いや、そうは思えないけど」と思うことも結構あったりします。ひねくれた性格のせいなんですかね? いや、昔はこういった類の本はもっと素直に読めていた気がします。ということは、年齢を重ねて疑り深くなったせい?

今回は、成功哲学で語られている助言の中で、あまり納得できなかったことについて少し書いてみようと思います。

1. 退路を断って行動せよ?

成功するためには、退路を断って全力でことにあたるのが良い、という主張を支えるために挙げられた事例が2つ記載されていました。

  • 尊敬してやまない人の共同経営者になるため、故郷で培った人脈や仕事の機会を全部投げ捨てて、無一文でその人の元に行き、共同経営者になるように持ち掛け、最終的にその願いが叶って共同経営者となることができ、その後ビジネス上の大成功を収めたという話
  • 古代の戦争で、ある将軍が敵の要塞を責めるために船団を組んで渡河を終えた直後に、部下に命じすべての船に火を放ち、「これでわが軍は敵に勝利するか、破れて全滅するか、の2つに一つになった」と演説して全軍に奮起を促し、戦って勝利した、という話

うん、言いたいことはよくわかるのですが、同意できるかというと難しいです。退路を断って挑んだことで、良い結果が生まれた事例だけを都合よくピックアップして紹介しているだけのような・・・。上の2つに類似した事例で、退路を断って決死の覚悟で挑んだまでは良かったものの、あえなく惨敗して露頭に迷ったり、全滅したりした例だってきっとたくさんあるでしょう。むしろそうした事例の方が多かったりするのでは?背水の陣を敷いて全力で挑めば必ず成功できる、みたいな言い方は疑問です。

むしろプレッシャーに弱い私なら、失敗したときに備えた逃げ道がしっかり確保されていた方が、後方の憂いなく安心して全力で戦えるような気がします。

2. まず動け? 動きながら考えろ?

「まず動け」とか、「動きながら考えろ」とかいう主張。これは、今読んでいる本に直接書かれていた内容ではありません。むしろその逆で、今読んでいる本では「心を落ち着けて思考することの大切さ」が説かれています。この「心を落ち着けて思考することの大切さ」について読んでいる時に、そういえば世間一般では、成功するためには、「まず動け」とか、「動きながら考えろ」とか、威勢のよい言葉で行動を促されているなぁ、と思い出しました。

こうした助言については、行動を重視するあまり、思考がないがしろにされているなぁ、という印象を持っています。

というのも、自分の経験でいうと、この「まず動け」とか「動きながら考えろ」という言葉に従った場合、ろくな目に合っていないような・・・。準備不足が露呈して痛い目を見ることの方が多いように思います。軌道修正や後始末も大変。かなりの確率でこれだったら最初からよく考えてから動けばよかった、と後で思います。

「まず動け」を実行しようとすると、どうしても思考のない直感だよりの行動にならざるを得ないです。直感的に行動しても大きな成功を収められるような天賦の才に恵まれたような人であればいざ知らず、凡才の私には、直感的な行動で大きな成果を得ろ、なんて無理筋もいいところ。

また「動きながら考えろ」といわれても、そもそも人の脳は、重大な考え事をしながら動き回れるほど柔軟にできているんですかね。小事ならともかく、大事にあたるときにそのようなアプローチは危険すぎるように思うのです。

軍事行動だって、事前に慎重に作戦を立てますよね?「まず動け」と考えなしに敵につっこんだり、「動きながら考えろ」と、敵に攻撃を加えながら同時進行で作戦を立てたりしないですね。

まぁ、「まず動け」とか「動きながら考えろ」、という助言や説教は、あれこれ考えてばかりでいつまでも行動に移さない人に対する警鐘という側面もあるのでしょうが、それでも思考は二の次だと言わんばかりの助言や説教には同意できませんねぇ。

まとめ

成功哲学の本は、読んでいて結構おもしろいので、原書を読むと英語の勉強にもなって非常にありがたいのですが、そこに書いてある内容を無批判に実行してしまうと、ときに酷い結果を生むことがありえる、ということは念頭に置く必要がありそうです。一方で、これは絶対的に正しい、目から鱗だ!というような内容も書かれていたりするので、結局は自分が信じられる教えを見つけたら、それを実践していく、という使い方がちょうどいいのかなぁ、と思います。でも、まぁ、全く納得できない内容でも「いや、それは違うだろ」と内心で突っ込みを入れながら読み進めていくのも読み方としては楽しいのかもしれません。(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

成功のイメージを植え付ける!

f:id:royo170:20191021210539p:plain


たとえばスポーツなどの分野においてイメージトレーニングが重要であることは、すでに定着していますが、実生活においてもイメージトレーニングが重要である、ということについて現在勉強しています。今回は、そのことについて少し書こうと思います。

潜在意識の性質

人の潜在意識は、その中にある思考を現実化させるために無意識のうちに全力で働く、という性質を持ちます。このため、潜在意識に「失敗」のイメージが刷り込まれていると、潜在意識はその「失敗」のイメージをなんとか現実のものにしようと全力で働いてしまいます。一方で、潜在意識に「成功」のイメージが刷り込まれていると、「成功」のイメージを現実ものにしようと全力で作用します。

そのため、自らの失敗を願う、などという特殊な状況下に置かれていない限りは、潜在意識に「成功」のイメージを刷り込んでおくのが得です。そうすれば潜在意識は、無意識のうちにその「成功」のイメージを現実のものにしようと、自動的に働いてくれるのですから。

もちろん潜在意識が「成功」のイメージを実現しようと最大限働いても、成功が保証されるわけではありません。しかし、「成功」のイメージが刷り込まれた潜在意識を持つ人と、「失敗」のイメージが刷り込まれた潜在意識を持つ人のどちらが成功を収めやすいか、という質問については答えを考えるまでもないでしょう。

潜在意識に「成功」のイメージを植え付けるために

うまくいかないかもしれない、失敗するかもしれない、といったネガティブな思考を心から追い出し、潜在意識に「成功」のイメージを植え付けるために以下の方法/心構えが提唱されています。

1. ネガティブな思考がよぎった時は、それを打ち消す言葉を声に出す

ネガティブな思考が心の中を占めようとしたときの場合に備えて、そうした思考を打ち消すための言葉をあらかじめ用意しておきます。その言葉は、多少イタかろうが、臭かろうが構わないと思います。どうせ自分以外に披露するものではないのですから。そうですね、例えば以下のような感じでどうでしょうか。

「私は神と共にある。神は私と共にある。全知全能の神の助けを得た私はどんな困難をも乗り越える。全知全能の神とその神と共にある私の前には、どんな障壁も意味をなさない。私は困難を乗り越える。私は勝利する。」

いや~、自分で書いてて言うのもアレなのですが、イタいですね。でもイタくていいのです。強力な言葉として「神」という単語を使ったのですが、別に神様に言及しなくても構いません。大事なのは、ネガティブな感情に心を支配されそうになったときに、声に出して読み上げられる前向きな言葉を用意しておくことです。こうした言葉は暗記しておくのではなく、紙に書き出すなどして、いつでも読み上げられるようにしておきます。そうして実際に心の中がネガティブな思考で満たされそうになったときに、その紙を取り出し、心を込めて、100%の信頼を込めて読み上げます。

2. 他人の真似はしない

他人に畏敬の念を抱きすぎたり、そっくりそのまま真似るようなことは控えます。誰かが自分に成り代わって自分の理想の姿を手に入れることはできないです。また大半の人は、どんなに自信があるように見えても、おそらく自分と同じくらい恐れをもっているし、自身を疑っていると思われます。

3. 困難を正しく見積もる

困難を乗り越えた後で、振り返ってみると「意外に大した困難ではなかったな」と思った経験は誰しも少なからずあると思います。これは多くの場合、困難を実際よりも過大に見積もっていたことが原因だと思います。後で振り返った後の「意外に大したことではなかった」という評価こそが、正しい評価なのかもしれません。困難を軽く見すぎるのももちろん問題ですが、恐怖心で必要以上に大きく見てしまうと、その解決に必要以上に手間取ることになるのではないでしょうか。困難を排除するためには、その困難性を正しく見積ることが第一歩だと思います。

 4. 自分の能力を正しく見積り、少しだけ上乗せする

 自分の能力を正しく見積ったうえで、その上に少しだけ上乗せします。上乗せ後が完了した後の能力を自分の能力と認識します。傲慢になることなく、健全な自尊心を養い、その能力をもって、上記3.で正しく見積もった困難に立ち向かいます。

++++

私自身、気が付くとネガティブな思考にさいなまれていたりするので、この記事で紹介したような思考法を学ぶことは大変ためになります。前向きな思考を伴って充実した生活を送り、自分が望むような人生を送りたいものです。何か新たな学びがあったら、また当ブログで紹介したいと思います。(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

米大使公邸乱入事件とウィーン条約

f:id:royo170:20191019221625p:plain


韓国ソウルの米大使公邸に学生17名が乱入して、1時間以上反米デモを繰り広げた、というニュースを見ました。最終的には学生は警察に連行されたようですが、そもそも大使公邸に侵入を許したことと、1時間以上違法なデモを止められなかったという警備の緩さには驚くばかりです。

各社の報道を見ると、

  • 学生ら17名が駐韓米大使公邸に不法に侵入した。
  • この学生らは、米国から出された在韓米軍駐留経費の負担増に反対しており、大使公邸前で「ハリス(米大使)は、この地を去れ」などと書かれた垂れ幕を掲げて、抗議活動を繰り広げた。
  • その後、警察当局に逮捕された。

くらいのことしか書かれていませんが、朝鮮日報オンライン(日本語版)の報道では当時の様子が詳しく書かれています↓↓

www.chosunonline.com

上記記事の一部を抜粋すると、

  • 現場警備に立っていた義務警察(兵役の代わりに警察で勤務する警察官)は、デモ隊の乱入を積極的に阻止することはなかった。
  • 警察は「はしごをむやみに取りのけた場合、乗り越えている学生らが落ちて大けがをしかねない」と主張した。
  • 警察官およそ70人がデモ隊を追って公邸に入ったが、デモ隊の中にいた男性だけを連行し、女性11人は数十分間デモするがままにしていた。
  • 「女性の体に手を出しと問題になりかねず、女性警察官の到着を待っていた」
  • 女性警察官25人が到着してデモ隊を全員連行した時刻は、塀の乗り越えが始まってから70分が過ぎた午後4時5分だった。

とあります。

これ、真面目に警備するつもりがあったんですかね? 

しかも同国では、駐韓米大使の前任者のリッパード氏も襲撃されて大けがを負ったという事件もありました。あの事件の後、本当に警備強化をしていたのか疑わしくなります。

なお、大使の公邸が、受入れ国によって保護されなければならない根拠となる条約は、「外交関係に関するウィーン条約」です。

外交関係に関するウィーン条約、すなわち「Vienna Convention on Diplomatic Relations」の第22条2項に以下の通り規定されています。

The receiving State is under a special duty to take all appropriate steps to protect the premises of the mission against any intrusion or damage and to prevent any disturbance of the peace of the mission or impairment of its dignity.

 この条項の訳は、外務省のHPによると以下のようになります。

接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。

 韓国当局はこの規定を遵守していたか、と問われるとかなり疑わしい、と言わざるをえないと思います。(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

翻訳者が翻訳会社に登録する大まかな流れ

f:id:royo170:20191001105027j:plain

翻訳者が仕事を受けるには主に、①エンドユーザーである一般企業、政府機関、大学などから直接受注するルートと、②翻訳会社から受注するルート、の2つのルートがあります。

私は、①の方法はとらずに、②のルートでのみ受注しているので、今回は②のルートについて説明したいと思います。

登録を目指す翻訳会社の探し方

翻訳会社から受注するには、まず翻訳会社の実施するトライアル(登録試験)に合格する必要があります。そのトライアルを実施している翻訳会社を探す方法はいくつかあるかと思いますが、私が主に取った方法はネット検索です。例えば「翻訳者募集」「トライアル」などのキーワードで検索します。そして良さそうな会社を見つけて、応募することを決定します。

応募方法

応募方法は、翻訳会社によって異なるとは思いますが、①ネット上の応募フォームに必要事項を記入して送信する方法、または②指定メールアドレスに必要書類(履歴書、職務経歴書、翻訳実績)する方法、のいずれかが指定されていることがほとんどかと思います。

書類審査

そのように翻訳会社から指定された方法で応募を行った後は、たいていその翻訳会社で書類審査が行われます。応募者から提出された情報をもとに、トライアルを受けてもらうのか否かを決定するわけです。書類審査の段階でも、それなりに応募者の絞り込みは行われているようです。まったく翻訳経験のない人や、応募条件に記載してある翻訳経験期間を満たしていない人、また十分な経験を積んだ翻訳者であっても、担当分野がその翻訳会社の得意分野と大きくかけ離れていたり、また大きくかけ離れていないまでも、すでにその分野において十分な人数の翻訳者が登録されている場合などは、書類審査の段階で落選することがあります。

トライアル原稿

めでたく書類審査を通過したら、次はたいていトライアル原稿が送られてきます。トライアル原稿の分野は、だいたい応募者が選択することができます。また英語の場合、英日翻訳か日英翻訳か、はたまた両方かを選ぶことができます。

トライアル原稿の分量は、翻訳会社によって大きく異なると思います。かなり多い分量のファイルを複数、訳させる会社もあれば、比較的少ない分量のファイルを訳させる会社もあります。難易度もまちまちですが、やや訳しにくい文章をトライアル原稿に選んでいる会社が多い、という印象です。

トライアル合格率

気になるトライアルの合格率(トライアル受験者総数に対する合格者の割合)ですが、概ね10%未満のようです。もっと具体的にいうと平均8%くらいですかね。各翻訳会社の話を聞く限りでは、だいたいこのこのあたりの合格率に収束する、という印象です。

単価交渉と合格後の面談

トライアルに合格したら、単価交渉に移り、そこで合意にいたったら、めでたく登録となります。翻訳会社によってはトライアル合格後に面談を行います。ただ、合格後の面談なので、この面談が合否に影響することはありません。中には、トライアル後の面談を合否判定に組入れている翻訳会社もあるかもしれませんが、私が過去にトライアルを受けた翻訳会社にはそのような会社はありませんでした。

これが翻訳会社への登録への大まかな流れです。お役に立てる情報であったならうれしいです。(了) 

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ

f:id:royo170:20191016221409p:plain

「英語を学ぶ」段階から「英語で学ぶ」ことが可能な段階に入ったとき、そこで何を学ぶか、がその後の英語力の向上に重要な意味を持つように思います。

興味のある分野を学ぶ

最善なのは、自分がもっとも興味が持てる分野を学ぶことだと思います。興味があればそれだけ夢中で勉強しますからね。もちろん学ぶ対象は英語ではなくなっているものの、英語を使って学ぶために、英語を勉強しているということを意識することなく、英語力が自然と伸びていく、という好循環に入るということですね。

さて、あなたは何を学ぶでしょうか? 学ぶ、といっても推理小説を読む、でも全く問題ないと思います。推理小説、いいですよね。物語も佳境に入ってくると、続きが気になってどんどん読み進みたくなります。わからない単語がでてきても、意味を推理してどんどん先に進むもよし、さっと辞書を引いて意味を調べてから先に進むもよし、夢中になって読み進めているうちに自然と英語力は伸びていくのは間違いないと思います。

私が今読んでいる本

私は今、2冊同時進行で電子書籍を読んでいます。1つは、南北戦争前後の米国のビジネス史に関する本で、もう1つはポシティブ・シンキングについて考察する本です。本を読む時間をそんなにとれるわけではないのですが、2冊を同時に読み進めていくという道を選んでしまいました・・・。

1冊目・・・

1冊目の本では、今、コーネリアス・ヴァンダービルドという人物について書いてある章を読んでいるのですが、高校の社会で日本史を選択した私はこの人物のことを知りませんでした。世界史を選択した人であれば、当たり前に知っている人物なんですかね? 大学時代の専攻は経営学でしたが、経営史の授業でもしかしたら出てきたかもしれないです。まったく覚えていなかったですが(いばって言うことではありませんね・・)。

彼は、海運業から身を起こし、やがて海運事業を売却して得た資金を元手に鉄道業に進出し、そこでも大成功して「鉄道王」と呼ばれるまでになった人物だそうです。

コーネリアス・ヴァンダービルドについて書かれているページのリンクを一応貼っておきますね。

www.wikiwand.com

2冊目・・・

2冊目の本、ポシティブ・シンキングに関する本は、今読んでいる章では、劣等感にさいなまれていれる人の劣等感の正体を突き止めるには、時間をかけた詳細な分析が必要だが、当面の対処法として聖書の一節を心を込めて唱えて祈れば、事態はだいぶ良くなる、という趣旨が書かれています。この辺はキリスト教の影響を強く受けた著者が、キリスト教の影響を受けた読者に向けて書いているという印象で、宗教観が薄いといわれる日本人の私にはなかなかピンときませんでした。しかし、この先どんなことが書いてあるのだろう、ととても気になり、さらに読み進めていきたい、と思える内容なので、今後そうしていくことが楽しみです。

こうやって興味のある分野の本を英語で読んでいけば、英文読解力は嫌でも勝手に伸びていきますよね。(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

3つのサイト(英語学習、おすすめ)

f:id:royo170:20191011202649p:plain

翻訳者を目指そうと心に決めたときから翻訳以外の勉強は極力排除してきたため、実は今でも「翻訳周りの英語」を除けば、僕の英語力は大したことはありません(断言)。翻訳周りの英語、って変な言い回しですよね。でもそれ以外に良い表現を思いつかないので、ご勘弁を。

さて、さすがにいつまでも「翻訳周りの英語」以外の英語から逃げているわけにもいかないので、総合的な英語力を強化していこう!と心に決めたのですが、そうした勉強に使える時間も限られていることから、主に2つのツールに絞って学習を進めていこうと思っています。今回はそれらの2つのツールを紹介したいと思います。さらにその後で、日本語による解説が充実した英語学習サイトをもう1つ紹介したいと思います。

1. NHK WORLD-JAPAN News

まず1つ目、NHK WORLD-JAPAN Newsです。

www3.nhk.or.jp

このサイトでは、さまざまなニュースがとてもコンパクトにまとめられているので、細切れ時間を使って効果的に勉強できそうです。

ビデオ映像が付いているニュースとビデオ映像がついていないニュースがあるのですが、ビデオ映像が付いているニュースの方が利用価値が高そうです。僕がいいなぁ、と思っている利用法としては、まず、ビデオだけを見ます(なおビデオには字幕は付いていません)。それでほぼ理解できたら次のニュースに移れば良いし、理解がいまいちであれば、ビデオ画面の下にニュースの要約が書いてあるので、それを読んでニュースの内容を理解します。(書いてあるニュースの要約は、ビデオでアナウンサーが話している内容と全く同じ、というわけではないのですが、主旨は一致しているため、アナウンサーの話を理解できなかったとしても、このニュースの要約を読めば、アナウンサーの述べたことは概ね理解でき、ニュース自体が分からないというフラストレーションを溜めなくて済みそうです。)1つ1つのニュースは時間が短いため(概ね2分以内)、そのニュースについて深く知るためにはもの足りないかも知れませんが、ニュースの概要を知るにはちょうど良い長さだと思います。それにこれくらいの短さだと集中力が切れる暇もなさそうですものね。

 2. Kindle

2つ目はご存知、Amazonが提供しているKindleです。

www.amazon.co.jp

いや~、洋書がオンラインで簡単に入手できるというのはとてもいいですね。ついこの間までかなり規模の大きい書店に行かないと洋書が手に入れられなかったように思うのですが、いい時代になったものです。紙の辞書を引きながらペーパーバックを一生懸命読んでいたころが懐かしいです。読み終わるころには、ペーパーバックは、鉛筆の書き込みだらけになっていました。今ではPC画面でPCにインストールした辞書を引きながら読めるからありがたいですよね。加えて、ものにもよるのでしょうけど、Kindleの洋書は安いと思います。次に読もうと思っている本、ペーパーバックだと2,400円くらいなのに、Kindle版だと320円くらいでした。

今は、とくに19世紀後半の米国の経営史に興味があります。新興国であったアメリカが、ごく短期間で世界最強国家に上り詰めたのは、この時代の工業化による部分が大きいと思います。その時代について知るために、ロックフェラー、A・カーネギー、JPモルガンなどのその時代の経営者たちの人物像や実績について、Kindleの電子書籍で英語の勉強をしながら学んでいきたいと思っています。

3. 攻略!ABCニュース英語

最後に攻略!ABCニュース英語を紹介します。

www6.nhk.or.jp

これは実際にアメリカの報道機関であるABCにより放送された個別ニュースを英語字幕や日本語字幕を使って解説してくれるという、とても親切な設計のサイトです。平日の毎日にニュース1本ずつがアップロードされているようです。5分くらいの長さのビデオの中で、あるニュースを1回英語字幕付きで流した後、次は同じニュースを日本語字幕付きで流し、その次は字幕なしで流し、最後にまた英語字幕付きで流す、という手順をとっているため、自然に繰返しリスニングができます。

日本語による解説を必要としている学習者にとって最適なサイトだと思います。

+++++++

いかがでしたでしょうか。私は差し当たり最初の2つのツールを使って、翻訳周り以外の英語を強化していきたいと考えています。(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

英文ライティング力を向上させた2つの方法

f:id:royo170:20191010215334j:plain

とくに日英翻訳については、高度な英文ライティング力が必要です。その勉強法については悩みの種でしたが、いろいろな方法を試行錯誤したうえで、自分の中で最後まで生き残った勉強法が2つありますので、今回はそれらについて紹介したいと思います。

もっとも、万人向けであるとは限らないので参考程度に聞いていただければ幸いです。

1つ目の方法

1つ目は自分が意味を完璧に理解できている文章をひたすら写す(タイピングする)という方法です。
写す(タイピングする)対象は、ニュースでも、小説でも、論文でもなんでも良いのですが、自分が内容を完全に把握している文章を、あたかも自分が書いているつもりになりながら、写す(タイピングする)だけです。この勉強法は負担がとても軽いわりに、効果が大きいと思います(派手な効果ではありませんが)。ライティングだけでなく、リーディングや単語の蓄積にも一定の効果があると思います。

繰返しになりますが、この方法は、必ず内容を完全に把握している文章を使って行う必要があります。意味を理解しないまま文章を写しても、それは単なる作業にしかならないので注意が必要です。

2つ目の方法

もう1つは自分の書いた英文を自分の目の前で英語ネイティブの人に添削してもらうことです。私の場合、現在は3週間に1度、この機会を設けています。ネイティブによる英文チェックの場合、注意しなければならないのは、添削後の英文が自分の意図と離れてしまうことがたまに起こりうることです。

ここで自分の「目の前」でチェックしてもらうことの意味が出てきます。添削後の英文が自分の意図と離れてしまった場合、「いや、僕の言いたいことはそうじゃない」、と自分の真意をその場で説明したうえでチェックに反映させてもらうことができます。また添削の過程で濃い質疑応答を繰り返す中、文章を構成していく際の英語ネイティブの思考パターンを学ぶことができます。

私はこの方法を7年近く続けているのですが、この方法のおかげで英文ライティング力は飛躍的に向上したと思います。1つの証左として、英語ネイティブの翻訳者以外に日英翻訳の仕事を出さない、という原則をもっている会社からも、日英翻訳の仕事を継続的に受注できています。この方法こそが現在の私の日英翻訳の技術を支えている、といっても過言ではありません。

万人向きではない2つ目の方法

ただし、この2つ目の方法は万人向きではないと思います。添削してくれる英語ネイティブの人をどうやって確保するか、という問題がありますし、また添削の結果、自分の真意から離れた文章になってしまった場合、自分の真意を説明するだけの英語力が求められるからです。書いてある内容がシンプルであれば説明は簡単かもしれませんが、書いてある内容が高度になればなるほど説明に必要な英語力は高くなると思います。

大事なのは、自分に適した勉強法を見つけること

私が英文ライティング力の向上に用いているのは主に上記の2つの方法ですが、他にも英文ライティング力の向上にはたくさんの方法があると思います。いろいろ試してみて自分にもっともしっくり来る方法を選択することが大事なことかなぁ、と思います。

なお自分に最適な勉強方法を見つける際の私の考え方について書いた記事のリンクを以下に貼っておきますので、ご興味があればご一読ください。(了)

royo170.hatenablog.com

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

日英翻訳デビュー時のお話

f:id:royo170:20191009220954p:plain

私にも日英翻訳のデビューを果たした時があり、最初に受注した日英翻訳に思いを馳せるととても複雑な気分にさせられるのですが、今回はその日英翻訳のデビュー時のことについて語っていきたいと思います。

日英翻訳へのデビューを決心

最初の日英翻訳の仕事は、翻訳者キャリア4年目に受けた仕事です。それまでは、英日翻訳専業で活動しており、英日翻訳の仕事をこなすと同時にその裏で日英翻訳の勉強を続けていました。日英翻訳を担当できるだけの力は備わったと感じていたので、英日翻訳と同時に日英翻訳のトライアルを通っていた翻訳会社に対しては、「日英翻訳も開始したいと思いますので、案件がございましたらご案内いただければ幸いです」という趣旨のメールを送り、英日翻訳のトライアルだけしか受験していなかった翻訳会社に対しては、日英翻訳のトライアルを受験させてもらえるよう連絡し、受験させてもらったりしました。

日英翻訳の初仕事の内容

そして、とうとう初めて日英翻訳を受注する日がやってきました。依頼してくれた翻訳会社さんは、本来ターゲット言語を母国語とする翻訳者以外には依頼を行わない(つまり日英翻訳は、英語を母国語とする翻訳者以外に対しては、原則依頼しない)、という原則を有していた会社です。そうした翻訳会社から日本語を母国語とする私に日英翻訳の依頼があるだけでも珍しいのに、原稿の内容も私にとってはかなり特殊なものでした。その内容は裁判書類。訳出に少なくとも3週間程度かかると見込まれる分量でした。その翻訳会社によると、通常その裁判書類シリーズは、同社のエース格の英語ネイティブ翻訳者3名で分担して訳出していたそうですが、その回はその3名とも別件の予定があったためアサインできなかったそうで、私に依頼することにしたそうです。その時は「おっ、エース格が任されるような仕事を僕に? 信頼されてるね~」と半ば得意気に、半ば呑気に引き受けたのですが、まもなく「これ、例の3名に断られて、すぐ僕のところに来たのではなく、その前に中堅どころの翻訳者に声かけまくって、全員に断られたんだろうな」、と気づくに至りました。それだけ、内容が特殊なものでした。

納期に間に合わない!!

引き受けた以上は全力でやる、と意気込んで訳出を開始したものの、内容がとても難しくて訳出が一向に進みません。そして比較的早い段階で気が付きました。「このままでは指定納期に間に合わない!」と。いや、このままでなくてももはや間に合わせることは不可能であると気づきました。目の前が真っ暗になりましたがどうすることもできず、正直に事情を話して謝るしかない、と翻訳会社に連絡しました。激怒されても仕方がない、と思っていたのですが、冷静に話しを聞いてくれ、最終的に「少し時間をください」と、ソースクライアントさんに納期の再交渉をしてくれました。ソースクライアントさんもあっさり納期の延長に応じてくださり、必要に応じてさらに延長が可能だ、とおっしゃっていただきました。(私が指定納期を守れなかったのは、後にも先にもこの1回きりです。ただし、これは何の自慢にもなりません。1回でも納期を守れなかったのは、後々まで消えることのない汚点だと思っています。)

予想外の高評価!

本当に申し訳ないという気持ちになりながらも、可能とおっしゃっていただいた2度目の納期延長だけはさせてはなるものか、と必死に訳出を進めました。フラフラになりながらも、何とか最終的には延長後の納期までに納品することができました。正直、品質についてはあまり自信がなかったのですが、翻訳会社のチェッカーさんからの評価はこうでした。「ただ字面を追って訳すのではなく、内容をキチンと把握したうえで訳されている。いつもの英語ネイティブの翻訳者さんの翻訳と比べても遜色がない」。予想外の高評価でした。リップサービスが過ぎるのでは、とちょっと思いつつも本当にうれしかったです。

後で聞いた話ですが、ソースクライアントさんも、このシリーズの翻訳の難しさは認識されていたそうで、翻訳会社さんはソースクライアントさんから「よくこんな文章を訳せますね~」と感心されていたとか。

でも思い出すと複雑な気分に

これが私の日英翻訳デビューのお話です。内容がトラウマになるほど難しかったのと、指定納期を守れなかった、という汚点が残っているため、この話に思いを馳せるととても複雑な気分になります。今まで受けた日英翻訳の中で、これが一番難しい案件だったんじゃないかな?

その後の日英翻訳

この時から私の日英翻訳の業務は開始されましたが、予想に反して、私の全翻訳における日英翻訳の割合の伸びは緩慢なものでした。もしかしたら品質がそこまで良くないと思われていたのかも知れないし、「英日翻訳者」としての印象が強く、日英翻訳に対応可能なことが取引先の翻訳会社さんにはっきりと認識されていなかったからかもしれません(表敬訪問時に、「あれ、日英翻訳もなされるんでしたっけ?」と聞かれたことも何回かあります)。それでも、日英翻訳の割合は少しずつ増えていき、ピーク時には英日2:日英8の割合くらいまで日英翻訳の比率が高まりました。最近はまた英日翻訳の割合が少し増えたような体感です。(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

日英翻訳への進出のタイミング

f:id:royo170:20191008215206j:plain

今回は自分の経験を踏まえて、英語が日常的に使用される環境で生活した経験があまり豊富でない翻訳者が、日英翻訳に進出するのにふさわしいタイミングについて考察したいと思います。

比較的待遇が良い日英翻訳

日英翻訳とは日本語の原文を英語に訳す翻訳のことをいいます。一般的には、日英翻訳は、英日翻訳に比べて翻訳者が少ないと言われており、その分、若干待遇が良い、と言われます(もっとも待遇が良いといっても、あくまで英日翻訳と比較したうえのことですので、飛び抜けた好待遇、というわけではありません)。

日英翻訳の翻訳者が少ない理由

なぜ日英翻訳の方が翻訳者が少ないか、というと、英日翻訳と比べて参入障壁が比較的高い、ということが原因かと思われます(決して日英翻訳をやりたい翻訳者が少ない、というわけではないと思われます)。英日翻訳より日英翻訳の方が参入障壁が高い理由ですが、それは、①英語と日本語間の翻訳の場合、日本語を母国語とする翻訳者の方が絶対数が多いこと(これは日本語を話す英語ネイティブと、英語を話す日本語ネイティブの数から考えても当然そうなると思われます)、②翻訳は母国語でない言語訳す方が比較的難易度が高い、という2つの要因に起因すると思います。

日英翻訳に絞る経済的合理性

日英翻訳の方が競争相手が少なく、その分待遇がよくなりがちなため、英語と日本語間の翻訳者を目指すなら日英翻訳者を目指す方が経済的合理性は高いのかもしれません。事実、日英翻訳に絞って活動されている翻訳者の方々はこれが1つの大きな理由とされているかと思います。

いきなり日英翻訳のみを指向するのはお勧めしません(例外あり)

ただ、英語と日本語間の翻訳者になることを目指している方が、いきなり日英翻訳だけを指向するのは、一部の例外を除き、あまりお勧めしません。(一部の例外とは、その方が帰国子女だったり、海外滞在歴が長かったり、と日常的に英語を多く使用する環境に身を置かれた時期が長く、英語でコミュニケーションを取ることに非常に慣れている場合を想定しています。)

英日翻訳のメリット

英日翻訳は、翻訳前に原文である英語を読み込むので、その過程で非常に多くの英語表現に触れることができます。これは英日翻訳の依頼案件を多くこなせば、英日翻訳の中で使用されている英語表現が自分の中に蓄積されていくことを意味します。仕事として、こうした英語表現に多く振れられる機会を自ら放棄するのはもったいないと思うのです。また、多くの英語表現にふれないまま日英翻訳をやると、英語訳が自然な英語の言い回しにはなりにくく、いかにも英語ノンネイティブが無理して頑張って訳しました的な不自然な言い回しになる傾向にあるのではないでしょうか。これらが僕が、(帰国子女や海外滞在歴が長い人を除いて)最初から日英翻訳のみを指向することをお勧めしない理由です。

※もっとも、英日翻訳は、原文を英語運用能力の高くない英語ノンネイティブが書くことが昨今増えており、そうした質の低い英語の癖を身に着けてしまわないよう注意する必要はあると思います。

自分の場合・・スタートは英日翻訳のみ

ちなみに、僕も翻訳者としてのキャリアのスタートは英日翻訳からでした。活動領域を日英翻訳に広げたのは翻訳者となってから4年目のことです。日英翻訳のトライアル(翻訳会社の登録試験)自体には翻訳者1年目でいくつか通っていたのですが、日英翻訳を適切にこなす自信がなかったのと、また何とか英語に訳せたとしても時間がかかりすぎてしまい、時間単価を考えるとその時点で日英翻訳を受注する経済合理性に非常に乏しかったためです。結果的には、その判断は間違っていなかったと思います。英日翻訳に専念したことで多くの英語表現に触れることができ、その結果身に着いた英語表現が現在、日英翻訳に役立っていますからね。とくに僕の主力とする法務翻訳では、決まり文句のように使われる言い回しが多いので、その傾向が顕著なのだと思います。

日英翻訳を開始したのは、キャリア4年目

日英翻訳を開始したのはキャリア4年目からです。ただ日英翻訳を始めた後も、日英翻訳だけに絞ることなく英日翻訳を続けています。その理由は、英日翻訳をこなすことで身に着けることのできる英語表現に引き続きメリットを感じているからです(あとは幸運にも英日翻訳でもそれなりに良いレートを得られている、という事情もありますが)。いつも日英翻訳でうまく訳せない表現であっても、別件で担当した英日翻訳でしっくりくる言い回しに巡り合ったりすることがあるので、そうした言い回しは自分の中でストックしておき、次に日英翻訳で同じような表現が出てきたときに使用したりします。こうしたメリットもあるので、僕はこれからも英日翻訳と日英翻訳の両方を車輪の両輪と位置付け、両方の仕事を取っていきたいと考えています。

まとめ

だんだん記事のタイトルから脱線してきてしまったので、最後にまとめますと、英語が日常的に使用される環境で生活した経験があまり豊富でない翻訳者が日英翻訳に進出するタイミングは、英日翻訳である程度、自らの活動分野(IT、化学、電機、機械など)で特有な英語の言い回しの知識が十分に蓄積された後で十分、というのが僕なりの結論です。(もちろん、これと異なる考え方を否定する気もありませんし、これと異なる方法で活躍されている翻訳者の方々も大勢いらっしゃることは承知しております。)(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです

練習の量、練習の質

f:id:royo170:20191007223216j:plain

翻訳者になろうと必死であがいている時も、幸運にも翻訳者の末席に名を連ねることができた後も、翻訳関係の勉強は時にサボりながらも何とか継続してきたつもりです。しかし同時に、勉強方法については常に悩みの種でした。この勉強法で良いのだろうか、無意味な勉強をしているのではないか、と常に疑問に付きまとわれている、そんな感じでした。

興味深い実験のお話

そんなとき、ある書籍で興味深い実験の話を読みました(書籍名を紹介したいところですが、いつどの書籍で読んだかは覚えていないのです。残念ですorz)。
その実験は、美術的教育背景を持たない学生をAとBの2つのグループに分け、粘土細工を作らせる、という内容です。その際、グループAには「できるだけ多くの粘土細工を作ってくれ。その質は問わない」との指示があり、グループBには「できるだけ質の高い粘土細工を作ってくれ。その量は問わない」という指示が出されました。両グループの学生とも、それぞれ指示を忠実に遂行しようと努力を尽くしました。実験期間の終了後、驚くべき結果が出ました。出来上がった粘土細工の量は当然ながらグループAの方が多かったです。では質はどうだったか。なんと、粘度細工の質もグループAはグループBをはるかに凌駕していたのです。

私が得た教訓

この話はかなり衝撃的でした。私はこの話から次のような教訓を得ました。未経験の分野に関しては、まず練習の絶対量を確保すべき。もちろん初めから質の高い練習ができればそれに超したことはないが、未経験の分野では、そもそもどの練習の質が高くて、どの練習の質が低いのかはわからない。練習方法について悩むより、とにかく練習量をこなす。ただ練習量をこなした後に、そこから得られた成果を検証し、練習法に微調整を加えて行けば、練習量はある時点で必ず練習の質に転化する。練習の質が上がると、その頃には豊富な練習量は習慣化しているので、質の高い練習を豊富にこなすことができ、実力の向上に大きく寄与する、ということです。

質の高い練習とは

質の高い練習、とは人によって異なるのだと思います。その人の性格や、その時点の実力、体力などさまざまな要素が複雑に絡み合って、その人にとっての質の高い練習が決まってくるのかと。そのため、ある人にとっての優れた練習方法は、他の人にとっては必ずしも優れた練習方法とは限らない。むしろ害になることさえあると思います。

そして優れた練習である絶対条件は、「続けられる練習方法であること」、だと思います。たとえ専門家やその道の大御所と呼ばれる人が勧める練習法であろうとも、実際に練習する人が続けられなければ、それは優れた練習方法とはいえない。さらにいうと、続けられないことはないが、続けることが著しい苦痛を伴う場合も、その人にとって優れた練習方法ではないと思うのです。

練習方法はいくらでもある

思うに練習方法なんてものはいくらでもあります。1つの方法が自分に向いていないことが明らかとなっても、他の練習を探せばいい。自分に合った練習法は必ずあります。一番やってはいけないことは、成果があがらないからといってそのまま練習自体を放棄することだと思います。いろいろな練習を試して、自分にしっくりくる方法を存分に実行すること、そこが出発点で良いと思います。(了)

にほんブログ村 英語ブログ 英語 通訳・翻訳へ
↑↑ブログランキングに参加しています。クリックして応援いただけると嬉しいです