バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ社による航空会社の株式売却について思うこと

f:id:royo170:20200505141940p:plain


ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイ社が、保有する米航空会社4社の株式をすべて売却したことが明らかとなったというニュースが2020年5月3日に流れました。

この少し前の3/3には、バークシャー社がデルタ航空の株式を買い増しした、という報道があり、4/4には、そのデルタ航空の株式を売却したという報道があった後でのこの報道でしたので、かなり驚きました。

ちょっとややこしいので、以下に時系列で一連の報道を転載しますね・・・。

 

(1) 2020年3月3日の報道

 バークシャー、デルタ航空株買い増し-株式相場急落の中で安値買いか

www.bloomberg.co.jp

 

(2) 2020年4月4日の報道

バフェット氏もコロナ誤算? デルタ株を異例の短期売却

www.nikkei.com

 

(3) 2020年5月3日の報道

バークシャー、米4大航空会社の株式全て売却-バフェット氏明かす

www.bloomberg.co.jp


上記の(1)の報道を見たとき、「この状況で航空会社の株式を買い増せるのは、さすがバフェット氏。長期投資家を気取りつつ、どうしても短期的なリターンに目を奪われてしまいがちな当方にとっては・・・恐ろしくてとてもまねできない。」と感心したものですが、それから約1ヶ月で上記(2)の報道が出たので、逆の意味でびっくりしました。さらにそこから約1ヶ月語に上記(3)のニュースですからねぇ。株式の理想的な保有期間を聞かれて「永遠」と答えるほどの長期投資家のバフェット氏がこのような判断をするところに、航空業界の先行きの暗さを感じざるを得ません。

ところで、一点気になる所があります。上記(3)の報道と同じタイミングで報道された、同じトピックを扱った別のニュースで、「航空会社はバフェット氏のお気に入り」という表現がなされていた、ということです。

本当に航空会社はバフェット氏のお気に入りだったのでしょうか。

私が株式投資を始めた時、バフェット本は結構読み漁った口なのですが、それらの本によると、バフェット氏は元来、巨額な設備投資や減価償却費を必要とする会社への投資は避けてきたはず。これは現在でこそ、バークシャー社はハイテク企業に多額の投資をしていますが、元々は「自分の良く分からない/知らない業界には投資しない」といってハイテク企業への投資を長年避けてきたのと重なります。

これは私の推測なのですが、長年守ってきたポリシーを捨ててまで、ハイテク株や巨額な設備投資や減価償却費を必要とする航空会社・鉄道会社などに投資を開始したのは、バークシャー社が巨大になりすぎて、また運用資金が巨額になりすぎて、運用先がどんどん少なくなってしまったため、やむを得ず、というのが実際のところではないでしょうか。

要するに有望な投資先がほぼ尽きてしまったので、長年のポリシーを守っていては巨額の資金が運用しきれない、という状況に追い込まれ、本来なら投資を避けたいはずの業種の企業にまで投資せざるを得なくなっているのかと思います。

なので、航空会社の株式がバフェット氏のお気に入りだった、という主張はにわかには信じられないですね。

なお現在でも、バークシャー社は有望な投資先がなかなか見つけられずに苦労している様子がありありと見て取れます。

 

緊急事態宣言の延長

f:id:royo170:20200505142832p:plain


まったく別の話題なのですが、大方の予想通り、緊急事態宣言が5月末まで延長されることになりましたね。

ただし、5月14日に地域ごとの状況を再検証し、可能であれば地域単位で宣言を解除することもありうるそうです。

感染者数が思ったより抑えられていないとのことで、延長もやむなしと思う一方で、この延長による経済的なダメージも心配です。倒産件数と失業者数の増加、貧困による自殺の増加などです。

ただ政府としては、潜在的な経済的ダメージについて無策ということではなく、各種支援策(最大200万円の持続化給付金、金融機関による3000万円までの実質無利子・無担保融資(元本返済最大5年据置き))を提供しており、これらの支援策を活用してこの緊急事態を凌いでいただきたい、とのことです。

遅い、とか、不十分である、とか、批判も広くあることも確かですが、このような緊急事態に政府が完全無欠の対策を取れるわけがなく、個人的には政府はよくやっている方じゃないかな、と思います。

さらに、アビガンを新型コロナ治療薬として承認するために、首相は5月中に薬事承認が得られるよう厚生労働省に指示したとのこと、これも評価したいと思います。通常だと1年近くかかる手続きなのだそうです。

www3.nhk.or.jp

アビガンをめぐっては、新型コロナに効く科学的根拠に乏しい、という主張もあるようです。アビガン投与後に回復した人でも、それはアビガンが効いたのではなく、アビガンを飲まなかったとしても同じ時期に回復していたはずだ、という理屈です。

うーん、どうなんでしょう。この主張をする人でも、いざ自分がコロナ感染症にかかったら、開口一番に「アビガンを使ってくれ!」と懇願したりして。

また「アビガン」と「きのこの山」は同じ効き目だ、というわけの分からない主張をする方もいらっしゃいます↓↓↓

 この方に対しては、新型コロナ感染症にかかっても「きのこの山」を処方すれば文句はないのでしょうかね?