トライアル(登録試験)前にいきなり翻訳会社から依頼がある場合(体験談)
以前「翻訳者が翻訳会社に登録する大まかな流れ」という記事で、翻訳会社による翻訳者の募集に対し、実際に応募者がどのように応募し、どのように登録されるか、についての一連の流れを書きました。
原則は、その記事に書いた通りなのですが、一部例外もあることを思い出したので、今回はその例外について書こうと思います。
トライアルなしで、いきなり仕事の依頼ある場合
すなわち、トライアル(登録試験)を実施する代わりに、応募してきた翻訳者にいきなり本番の仕事を依頼して、それをトライアルの代わりに用いるケースです。その場合、翻訳料も応募者に対して支払われることがほとんどだと思います。(通常のトライアルは無償であることと比べるとお得ですね!)
ただし、こうした方法は、かなりレアケースだと思います。私の場合、これまでに1回だけそういうことがありました。
私の場合
翻訳者として本当に駆け出しのころ、まだ1~2社くらいしか翻訳会社に登録しておらず、十分な量の仕事を得られているとは言い難かった私は、いつも通り、翻訳者を募集している翻訳会社をネット検索していました。1社、良さそうなところを見つけて、応募書類一式を作成してメールで送信したのですが、割とすぐ(当日か翌日)に同社から電話連絡がありました。曰く、「これから依頼したい案件があるのですが予定は空いていますか?」と。
トライアルすら受けていない状態だったので、私はとても戸惑い「え、あ、いや、まだトライアルを受けていないのですが?」と答えたところ、「その点は大丈夫です。この案件をトライアルの代わりにして、出来がよろしければ、今後も継続的にご依頼しますので。」と言われました。また、翻訳料は、応募書類に記載してあった希望単価でお願いします、とも。
引き受けました
戸惑いながらも、とても良い条件だと思い、お引き受けすることにしました。納期は依頼日の翌朝で、分量はかなり多かった、とだけ記憶しています。当時、自分の翻訳スピードをよく理解できていなかった私は、翌朝納期に十分間に合うと思ってお引き受けしたのですが、作業を開始して間もなくその見通しが甘かったことに気付きました。
まったく思い通りに翻訳が進まず、結局、徹夜してしまったのです(全範囲を訳出する頃には、手足がすっかり冷え切っていました)。なんとか期限の時間までに納品することはできましたが、出来ははっきりいって良くなかったと思います。(内容もとても難しかったのを覚えています)
納品し、翻訳料を受領するも、トライアル的には不合格
なにはともあれ、無事に納品することができ、翻訳料も受け取ったのですが、その会社から再び仕事の打診があることはありませんでした・・・。
つまりトライアルには不合格です。う~ん、とても苦い思い出です。
でも、通常のルートだと、応募してからトライアルに合格して、登録を受け、実際に初仕事を受注するまでは、早くても2~3週間かかることを考えれば、いきなり仕事をもらえて、翻訳料も通常通り支払われるのはかなりの好条件ですよね。そういうやり方をする翻訳会社がもっと増えればいいのに、と思ったりもします。でも翻訳会社からしてみたら、そのやり方はとても大きなリスクなので、実際にはなかなか難しそうだと思います。(了)