法務翻訳者、IT翻訳に苦戦
当方、法務関係の翻訳が専門分野ですが、ここ1週間は、IT関係の英日翻訳を行っています。
なぜ法務翻訳の専門の私がこの仕事を引き受けたかというと、この話をもらったときに原稿にざっと目を通したのですが、IT分野の翻訳には見えなかったからです(;^_^A
また、おそらく依頼元の翻訳会社もこれがIT分野の翻訳とは認識していなかったんじゃないかなぁ。
一度引き受けた以上は最後までやり通しますが、同じ翻訳でも専門分野外の仕事となると、なかなか思うようにはかどらず、苦戦しています。
おそらくITを専門とする翻訳者さんなら、何の苦労もなくサクサクと訳せるんだろうなぁ、と思いつつ辞書を一生懸命引きながらなんとか進めています。
翻訳していて、結構な時間悩んでしまった用語が3つあるので、以下に記録しておきたいと思います。
production (environment)
意味:本番環境
environmentがあれば、まだわかりやすいのですが、environmentがなくても本番環境って訳すべき時があるらしいんですよね。
例えば、以下のような場合です。
The newly‐introduced system must be validated in production.
(新たに導入されたそのシステムは、本番環境で検証されなければならない)
また、以下のように名詞の前において、形容詞的な使われ方もするようです。
・production server (本番サーバー)
・production system (本番システム)
気を付けていないと、それぞれ普通に、「生産サーバー」、「生産システム」って訳してしまいそうです。
compromise
意味:危殆化(きたいか)
平たく言えば、「危険な状態になること」、「危うくなること」という意味だそうです。
・School network security has been compromised.
(学校のセキュリティネットワークが危殆化した)
法務翻訳では、この用語は「妥協」とか「和解」とかいう意味で使用されることが多いので、上記の意味で使用されているのを見て結構とまどってしまいました。
ただ、一般的な辞書を引いてみても、「compromise」には、確かに「危うくすること」、「危険にさらすこと」という意味もあるようです。
・compromise thier credit (彼らの信用を危うくする)
out of the box
意味:初期設定の、追加設定なしの
「独創的な」とか「創造的な」という意味でも用いられるようですが、コンピュータ用語としては「初期設定の」という意味で用いられることが多いようです。
・Running the MCU at the out of the box speed of 1 MHz
(MCUを初期設定の速度である1MHzで稼働させる)
もともとは「箱から出してそのまま使える」という意味の「out of the box」ということらしいですね。
おわりに
まだまだこの案件は続くので、苦戦は続きそうです。また新たな用語を学んだら本ブログに記載して行こうと思います。
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